「カルテ」という言葉を聞いて、紙カルテと電子カルテのどちらを想像しますか?
病院で医師や看護師が紙カルテを見ながら診療や処置を行う姿を思い浮かべる方は少なくないと思いますが、最近ではそういった光景も少なくなってきました。
なぜなら、電子カルテが普及し、診療記録を含めた情報はほとんどが電子化され、パソコンの中に保存されるようになってきたからです。
電子カルテは、物理的な移動の必要がないという利点があります。
紙カルテをカルテ棚からひっぱり出したり、それを診察室に運び、診察が終わるとまた棚に戻すといったような手間が省け、人件費の削減ができます。
また、検査やレントゲン画像のデータも全て電子カルテ内に保存されているので、画像フィルムや検査結果を管理する手間がなく、診療にかかる時間が短縮できます。
診療にかかる時間が短縮されるという事は、仕事の効率化につながり、それだけ多くの患者を治療することができるのです。
ただし、便利な電子カルテは取り扱いに気を付けなければなりません。
患者の診療内容が電子化され、1つにまとまった電子カルテは簡単に持ち出すことが可能なため、個人情報の漏えいの恐れがあります。
これは、患者の情報を第3者に漏らしてはならないという守秘義務に反することにつながるため、充分に注意する必要があるでしょう。
電子カルテは非常に便利ですが、その反面、慎重にならなければならない点もあるので、導入の際には使用する人たちの間でルールの取り決めが必要になります。